清水診療所


○清水診療所前

ヨ「風邪ひいた…。東京に来てから初めて病院行くけど、清水診療所って大丈夫かなあ?どう見ても外観は民家なんだよなあ…」

○受付にて

ヨ「すいません、診察お願いします」

川´・_・リ「はい、では保健証とあなたが人間であることを証明できる物の提示をお願いします」

ヨ「いきなりひでぇ。僕、人間以外の生命体に見えます?」

川´・_・リ「う〜ん、パッと見では人には見えません」

ヨ「パッと見で人に見えない人とかいるの?」

川´・_・リ「まあ…日本語喋ってるし、人間として認めましょう。ではあちらの家畜小屋っぽいところでお待ちください」

ヨ「家畜小屋て。まだちょっと疑われてるよ」

○そして診察へ

川´・_・リ「次の方どうぞ」

ヨ「お願いします。って、あなた受付の人じゃないですか。先生を呼んできてくださいよ」

川´・_・リ「いえ、この病院は受付から診察まで私1人で切り盛りしているんです」

ヨ「いや、老舗そば屋じゃないんだから。せめて受付くらいは人を雇おうよ」

川´・_・リ「大丈夫です。受付の免許は持ってます」

ヨ「そこは医師免許を持とうよ」

川´・_・リ「一応、医師免許も仮免ですけど持ってます」

ヨ「仮免とかあるの?自動車免許じゃないんだから…」

川´・_・リ「では診察を始めます。今日はBSEですか?」

ヨ「だから家畜じゃねえよ。ただの風邪です」

川´・_・リ「勝手に風邪だと決めつけるんじゃない!」

ヨ「うわ、めんどくせぇタイプの医者だ」

川´・_・リ「そうやって自分で決めつけていると、後でとんでもないことになったりするんだ。重大な病気の初期症状の多くは風邪に似ている。素人が勝手に決め付けて医師の診察も受けず、市販薬を飲んで済ませていると手遅れになることだってあるんだ。そもそも現代は市販薬の数が多すぎて医師の診察を受けずとも薬を手にできてしまうというのが問題であって…」

ヨ「あ、あの先生。長セリフの途中で申し訳ないんですけど、結局僕の病気は何なんでしょうか?」

川´・_・リ「え?ああ、ただの風邪です」

ヨ「結局風邪かよ!今の長セリフいらねえじゃん!」

川´・_・リ「まあそう怒らないで。風邪が悪化しますよ」

ヨ「なんかもうすでに悪化してる気がします…」

川´・_・リ「ではお薬ですが、お豆を3日分出しておきますね」

ヨ「ちょ、ちょっと待ってくださいよ。何すかお豆って」

川´・_・リ「お豆を食べて背を大きくするんです」

ヨ「知りませんよ。別に背を大きくしたくて来たわけじゃないですから」

川´・_・リ「牛乳を飲んでも背は大きくならないことが判明したんですっ!」

ヨ「はぁ…」

川´・_・リ「だからお豆を出しておきますね」

ヨ「文脈おかしい!あの、お豆は風邪に効くんですか?」

川´・_・リ「お豆に含まれているサキフラボンという成分に、風邪を治し背を伸ばす効果があると個人的には思っています」

ヨ「何だサキフラボンって?イソフラボンじゃねぇの?だいたい『個人的には』とか」

川´・_・リ「あと念のためにパ〇ロンも一緒に出しときますんで」

ヨ「思いっきり市販薬じゃん!いいかげんにしろ!」

川´・_・リ「はい、診察は異常(以上)でーす」